たった36万円の経費削減が、まさか1,343万円の売上アップと同じ効果を生むなんて!利益を劇的に変える「コストの魔法」
- 西川 浩樹

- 2025年10月1日
- 読了時間: 4分

企業の経営者が常に直面する課題。それは、どのようにして会社の収益(経常利益)を向上させるかという点です。
選択肢は主に二つ、すなわち「売上を伸ばす」か「コストを削減する」かです。
売上アップは魅力的ですが、市場環境や競争によって難易度が高い場合もあります。一方で、経費削減は着実に利益に直結します。特に、見落とされがちな「支払保険料の見直し」が、驚くほど大きな売上アップと同等の効果をもたらす可能性があるのをご存知でしょうか。
経費削減の「隠れた力」:売上1,000万円超に匹敵する効果
ここで、具体的な事例を考えてみましょう。もし、年間で支払っている保険料を36万円削減し、その全額(36万円)が損金算入されたと仮定します。
この「年間36万円のコスト削減」は、なんと売上を約1,343万円伸ばすことと同等の効果があるのです。
なぜ、たった36万円のコスト削減がこれほど巨大な効果を生むのでしょうか?
これは、コスト削減が販売費・一般管理費の抑制につながり、その分、経常利益が直接的に36万円増加するためです。この利益増加分を、企業の収益力(売上高経常利益率)に基づいて売上に換算すると、その効果が明確になります。
収益力の指標「売上高経常利益率」とは?
この効果を理解するために重要な指標が、「売上高経常利益率」です。
これは、「経常利益 ÷ 売上高 × 100」で計算され、その企業の本来の収益力を判断する指標として利用されます。この比率が高いほど、収益性が高いと言えます。
先の事例では、保険を見直す前(見直し前の損益計算書例)は経常利益500万円、売上高20,000万円に対し、売上高経常利益率は2.5%でした。
しかし、保険を見直し、支払保険料が年間120万円から84万円に削減された結果、経常利益が536万円に増加し、売上高経常利益率は2.68%に向上しています。
この経常利益の増加分(36万円)を売上高に換算する計算式は以下のようになります:
36万円÷2.68×100=約1,343万円
つまり、コストを削減し、経常利益を押し上げることは、利益率が変わらないまま売上を伸ばすよりも、効率的に企業の収益力を向上させる手段となり得るのです。
利益率が低い企業ほど、コスト削減の価値は高まる
コスト削減の効果がどのくらいの売上アップに相当するかは、企業の売上高経常利益率(収益力)によって大きく変動します。
一般的に、利益率が低い企業ほど、コスト削減が売上アップに換算した際の効果が大きくなります。
例えば、年間10万円のコスト削減を行った場合で比較してみましょう。
• 売上高経常利益率が10.0%の企業の場合:売上アップ換算額は100万円に相当。
• 売上高経常利益率が0.5%の企業の場合:売上アップ換算額は2,000万円に相当。
このように、利益率が低い企業にとっては、コスト削減はまさに利益改善の特効薬となり得ます。
業種によっても利益率は大きく異なります。中小企業庁の調査(令和3年確報)によれば、全業種合計の平均は3.3%ですが、不動産業・物品賃貸業が8.4%である一方、宿泊業・飲食サービス業は-4.2%、運輸業・郵便業は1.3%といった具合に、大きな開きがあります。自社の収益率を踏まえて、コスト削減のインパクトを測ることが重要です。
収益性向上と同時に「保障」を見直す重要性
保険の見直しは、単なるコスト削減のためだけに行うものではありません。本来の目的である「保障」と「緊急時の資金準備」をより合理的に行うために実施されます。
特に、事業を継続する上で重要な「借入金対策」として、生命保険を活用することは非常に有効です。
活用例として、以下の二つのポイントが挙げられます。
1. 根保証契約に対する対策: 保険金額を、金融機関との間で取り決めた借入金の極度枠に合わせ、保険期間を保証期間に合わせて設定することで、経営者に万が一のことがあった場合に借入金返済資金を確保できます。
2. 特定債務保証契約に対する対策: 借入金額の減少に伴って、保障として設定する保険金額も減少していく保険商品に加入することで、借入残高に合わせた合理的な保障を確保することが可能になります。
保障と緊急時の資金準備の目的は確保しつつ、契約内容を見直すことで、現在の経営状況や目的に合致した合理的なプランへと移行し、結果として収益力の向上にも貢献するのです。
保険の見直しは、単なるコストダウンではなく、企業の収益構造そのものを改善する戦略的な経営判断となり得ます。
• 保険料削減は、販売費・一般管理費を直接的に圧縮し、売上アップと同等の経常利益増加効果をもたらします。
• 特に利益率が低い企業ほど、コスト削減の売上換算効果は大きくなります。
• 同時に、経営者に万が一の事態があった際の借入金対策など、企業の安定化に不可欠な保障を最適化できます。
※具体的な経理処理や保険の見直しを行う際は、必ず税理士などの専門家、または所轄税務署にご相談ください。




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